(3)「でっかいでっかいモヤモヤ袋」:赤木かん子の「親子で読もう!今どきの絵本のおすすめコーナー」(3)

今日の絵本は、「でっかいでっかいモヤモヤ袋」
(アイアンサイド作・ロジャース絵、そうえん社、2005年)




いままではくったくなく暮らしてきたのに
思春期に入ったジェーンの背中には
いつの間にか大きなモヤモヤ袋が貼りつくようになりました。


何をしてもいなくなってくれない袋に疲れ果て、ジェーンが泣いていると、
お隣のおばあちゃんが、どうしたの?と言ってくれます
(親と教師はなんにも気がついていません)。


理由を話すと、
「それなら袋から出しましょうよ」というおばあちゃんに、
ジェーンは青くなって
「そんなことしたら大変なことになっちゃう……」というのですが、

おばあちゃんは笑って
「大丈夫、コツはね、誰かと一緒に出すこと、一つずつ出すこと」といってくれます。


で、二人で整理してみたら、
大半はお日様に当てたら消えてしまい、
他人のもやもやは本人に返してみたら
(パパのもやもやはパパに、ママのモヤモヤはママに)
みんな消えちゃった、という、イギリスの精神科医のかたが書いてくれたお話です。


出たときに六年生に読んでやると、
みんな息を止め、口を開けて手を握りしめて聴きました。 
そっかぁ とつぶやいた男子もいて、
これは必要な本だと、毎年読んでいたのですが、

そのうち五年生にも読めるようになり、
四年、三年、と下がってきて、
いまではなんと、一年生にも読んでやれるようになってしまいました。


一年生もしん、として聴き、やっぱり、そっかぁ、とつぶやく子がいます。


大人は子どもが問題を抱えていると認めたくないかもしれませんが、
現実に問題は存在していて、
大人は当事者ではないからそんなものはない振りができますが、
子どもは逃げることはできません。


正直、一年生にそこまで真剣に聴かれると
それは切ないなぁ、とは思うんですけど、
苦しがっているのなら呪縛をはずすハウツウは必要でしょう。


イラストが日本人好みではない本なので、
読んでやらなければ子どもたちは自分からは持っていきません。

もう自分で読めるようになったでしょう?
だから一人で読んで、ではなく、
信頼している大人に読んでもらっていろいろ言い合う濃密な時間を過ごすほうがいい、

そういう本もあるのです。




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