「島はぼくらと」 辻村深月作 講談社 2013年

(ネタバレはありませんが、未読の方は最後の5行だけご注意ください)

辻村深月さん、直木賞受賞後第一作! 
ということなんですが、
すみません、実は辻村さん作品、読むの初めてでした。

ずいぶん前に家人が「凍りのくじら」を読んで、
すごく良かったらしく、しきりに薦められたんですが、
ほら、人間って、あまり薦められるとかえって敬遠しちゃうっていうか(^-^;)

自分でも読みたいなと思ってたのに、
なんだか読み損ねて今日まで来ちゃいました。
それで、直木賞をとった作品も、吉川英治賞をとった作品も、未読です。

そんな「辻村深月初体験」のわたしが読んだ「島はぼくらと」ですが、
なんとゆーか、
読み終わったあとに、ずっしりと手の中に残る重みと、
目の前が明るく開けて行く浮遊感と、
両方を同時に感じることができました。

持ち重りのする作品なのに、読後が軽やかって・・・・すごいよ~!


島はぼくらと
講談社
辻村 深月

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読み終わって一番最初に思ったのは、母のたくましさ強さ、でした。

母だけでなくて、娘・母・祖母、それぞれの強さ。
今だけでなく、祖母がまだ娘だった時、娘がいつか母になる時、その時々の強さ。
つっぱねる強さじゃなくて、いろんなものを包むこむ強さ。
愛して、許して、未来につなげていく強さが描かれていたと思います。

深月さん、お母さんになられたんですよね。
それでかしらん、とか、おばさんは余計なことを考えました。

女たちの地に足のついたしなやかな強さに比べたら、
男たちはちょっと情けないかなあ、という気もしますが、

でも、そんな男たちが強さを発揮するのも、
自分にとって大事な女や子どもを守ろうとする時なんだよね。
彼らが、大事な人のために、
ちょっとがんばったり、ふんばったりする姿も、良かったなあ。

それにもちろん、
女だからいい人、なんて単純な話じゃないよ。
女でも、男でも、若くても、年とってても、
いいこともあれば、悪いこともある。

今の今まで情けなくっても、次の瞬間頼りになるかもしれない。
さっきまで勢い良くても、次の瞬間裏切るかもしれない。

真摯さと諦め、屈託と粘り強さ、ずるさと希望、
それが誰か一人の中に一つずつあるのではなく、
誰の中にも交じり合って、せめぎ合いながら、その人を彩っている。
それが世の中であり、人生なんだよなあ。

そんな雑然とした現実の中から、
自分にとって愛しいもの、輝くものを求め、
手をさし伸ばそうとする高校生たち。

物語の最初は結構ぼーっとしてたのに、
大人たちのいろいろな生き方を見て巻き込まれて1年すごすうちに、
みるみる成長していった。
ずるい疲れた大人ではなく、
しなやかに強く、したたかに優しい大人として。

彼らの成長を見守ることができて、読者としては最高に幸せな気分!



以後、未読の方は注意!














ただ一つ、不満な点は、
彼ら・彼女らの「恋」が結局どうなったのか、それがわからない。
いくつかフラグはたってるから、自分のいいように想像すればいいんだろうけど、
でもでも、気になるんだよ~。
恋愛大好きなミーハーおばさんとしては、チラっとでいいから、書いて欲しかったなあ。。。


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この記事へのコメント

藍色
2015年01月23日 15:40
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
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