「炎上する君」西 加奈子 角川書店 2010年

人気の西加奈子作品だけど、
実は「さくら」も「きいろいゾウ」も途中まで読んで、
なんか合わない感じがしてリタイア。

これはタイトルがとっても気になって、
短編集だし、いいかも、と思って挑戦。
結果、大正解でした。これ、よかったよ~!

最初の作品は、イマイチ、というか、
やっぱりなんか肌に合わない感じがしたけど、
そのあと、だんだん面白くなった。

中でも面白いと思ったのは
表題作「炎上する君」と「ある風船の落下」。

時代錯誤でダサイ外見のせいで、
高校時代についたあだ名が「戦中」「戦後」。
などなど、
思わずクスっと笑ってしまうミョーな可笑しみがあって、
不思議な魅力がある。

これが噂の「西可奈子ワールド」なのかしらん?

一つ一つの作品に描かれるのは、
とても現代的な孤独と悲しみ。
そして、
それを突き抜けた先に見つけた
「愛」や「恋愛」への憧れと賛美。

この「現代的な孤独と悲しみ」というのが、
圧倒的なリアルさで迫ってくる。
じめじめした陰鬱さはない。
独特のユーモアと、適度な距離感が絶妙。
同世代の読者は、きっと圧倒的に支持するだろう。


『「愛」や「恋愛」への憧れと賛美』だけど、
ディズニーのロマンチック・ラブ礼賛とは、
全く次元が違うのは、言うまでもない。


面白かったんだけど、
でも、やっぱりなんか肌に合わない、という感じが残る。
西加奈子さん、たぶん今後は積極的には読まないと思われます。
が、この人の作品が「必要」な子はきっといるだろうなあ。
おすすめするなら高校生あたりに。


西 加奈子
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-04-29

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