「北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く」

作家北村薫が、早稲田で行った表現の授業の一部を活字化した本。
北村先生の講義も面白いけど、
いろいろな文学ジャンルの表現者や編集者などをゲストに迎えての話も、
とっても刺激的。

北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)


もともと、かん子さんの文章が授業で「教材」として取り上げられ、
その部分も集録されている、と聞いて読んでみた。
たしかにかん子さんの文章は強烈に個性的だった。
面白い人だなあ、といつも思っているが、
やっぱり面白くも変、かつすごい人だと再認識。

どの章も面白かったけど、
歌人天野慶さんにインタビューする授業の中で、
歌を作ることについて、
「おかしな譬えですけれど、鰻をつかんでいるような感じで、一生懸命に言葉と取り組んでいます」(p107)
というのが、わたし的にとてもふに落ちる気がした。
「こんなに自分にぴったりの表現形態と出会えて、幸せだと思います」(p121)
というのも、印象深かった。

それと、やはり、
新潮社の出版部長(当時)の佐藤誠一郎氏、
講談社の「群像」の編集長(当時)の唐木厚氏、
二人の編集者へのインタビューも大変面白かった。

群像新人賞の応募作品について、
「(略)・・いってみれば自分探しの小説なのですけれども、ただ、この人の場合、ほかのそれと一点違うのは、ものすごく切実なのですね。この作品を読んだ、ある男性の新聞記者の方が《これは自分のことが書かれている小説だと思った》といった。これが大事な点で、応募されてくるこういう小説って、《あなたのこと》でしかない場合が多いのです」(p227)という部分が興味深かった。

また、学生へのアドバイスとして、
「面接委員みんなが判で押したように、《最近の学生さんは、これが好きというのが伝わってこない人が多いよね》というのですよ。逆に考えると、《これが好き》というものを、きちんと持っておくということになるんじゃないですかね」(p235)というところも、なるほどなあ、と思った。

こんな授業受けられたら面白いだろうなあ。
成人向け講義とかでやってくれないかしら。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

金銀花
2008年11月18日 14:59
ちわ~~っす
この本、私も持ってるよ。
最初図書館で借りたんだけど、自分でも持っておきたいと思って買いました。
ちびちびと、じっくり読み直し中です。

さて。
先週末に新刊ゲットしましたぜ。
福岡天神のジュ○ク堂には上下5冊ずつありやした!
なんと長崎のメ○ロ書店にも2冊ずつ置いてました。
(あさのあつこさんの隣に並んでた)
うわーーい、自分のことのように嬉しかったです。

ただ今読みすすめ中です。おもしろい~~!
「好物てんこもり」にニヤニヤです。
ところでセンセイ!質問ですが…
   「頬キズ男は出てこんの?」(爆)
2008年11月18日 23:07
金銀花さま、いらっしゃいませ~♪
わたしも図書館に返しちゃったけど、やっぱり買おうかと思案中。手元に置いて、折々に読み返したい、という感じの本ですよね。掘るたびに、違うものが出てきそう。

ところで、ご購入ありがとうございま~す!
本屋にあるの見ると、ちょっと感動でしょう? カラフル文庫を置いてない本屋さんも多い中、探して買っていただき、本当にありがとうございます!

「頬キズ男」!! わはは、某艦長はわたしたちのお気に入り~♪
・・そう言えば今回出てきませんねえ。今回は大好物の「魔法使い」も「ドラゴン」も出てこないので、それも合わせて「次回」のお楽しみということで。(^-^;)

この記事へのトラックバック