絵本「オオカミくんのホットケーキ」

「オオカミくんのホットケーキ」ジャン・フィアンリー 評論社  2002年

オオカミくんのホットケーキ (児童図書館・絵本の部屋)


「ある日、おなかがすいたオオカミくんは、ふと
ホットケーキが、食べたくなりました。」
字を読んだり買い物や料理が苦手なオオカミくんは、
ご近所に助けてもらえないかと、礼儀正しくお願いします。
ご近所に住んでいるのは、
ブレーメンの音楽隊を引退したオンドリさんや、
赤頭巾ちゃん、三匹のこぶたたちなど、おとぎ話でお馴染の面々。

ところが、このご近所さんたちときたら、みんな意地の悪い顔をして、
「やなこった」「とっととうせろ」なんて、
乱暴な言葉でオオカミくんを追い返し、誰も手伝ってくれません。
かわいそうなオオカミくんは、仕方なく
一人で苦労してホットケーキを作りました。

そこへ、ホットケーキのいい匂いを嗅ぎつけたご近所さんたち、
誰も手伝ってくれなかったのに、
「ホットケーキをよこせ」と押しかけました。
オオカミくんは、ため息をついて・・・。

おとぎ話ではたいてい悪役のオオカミですが、
この話では「ご近所さん」のほうが意地悪。
おとぎ話とは逆の、気のいいオオカミの話なのかと思いきや、
最後に大どんでん返しが待っています。

え? いいの? 
絵本なのに、そんなオチでいいの?

思わず戸惑う自分を振り返り、
「絵本はこういう話でなくちゃ」という自分の思い込みに気づかされました。
そういう「枠」からは結構自由なつもりだったのに、
いつの間にか無意識に良識的な結末を期待していた自分を発見。
たまにこういう絵本を読むと、
自分の頭がいかに固くなっているのがわかります。

小さな子はびっくりするかもしれません。
常識をひっくり返すブラック・ユーモアを楽しめるかは、
年齢や、好みによっても違うと思いますが、
大人の「お説教」や「偽善」に敏感になる高学年の子どもは喜びそう。

   (元記事:2006年02月18日)


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