「ひとりでは生きられないのも芸のうち」内田樹

(元記事:2008年4月8日)

「下流志向」以来、我が家で人気の内田先生。
ブログに書かれた文章の再編集、という本を読んだ。

「ひとりでは生きられないのも芸のうち」内田樹 文芸春秋 2007年

ひとりでは生きられないのも芸のうち


家事の合間にちょこっと「まえがき」だけ読んでみたら、
これが、もう抜群に面白い。

『私たちの社会のさまざまなシステムを機能不全に陥らせているのは、この「ちゃんと仕事をしてくれる人がどこかにいるはずだ」という無根拠な楽観です。「誰かがちゃんとシステムを管理してくれちえるはずだ(だから、私はやらなくてもいい)」という当事者意識の欠如がこの「楽観」をもたらし、それがシステムの構造的な破綻を呼び寄せています。』(本文12p)

「当事者意識の欠如」という言葉に、思わず膝を打ってしまった!

世の中のことについて、
「それ、なんか違うんじゃないのかなあ」「それじゃ、マズイんじゃないかなあ」
という不満というか、不安というか、違和感を、
なんとなくモヤモヤと感じたりするのだが、
「何が違うの?」「どうマズイの?」と言われると、うまく説明できない。
うまく説明できないので、ますますモヤモヤする。

それを、ウチダ先生は、「ここがオカシイよね」と指摘して、
何故マズイのか、スパッと説明してくれる。

なるほどな~!と感心したり、
あ、そうだったのかあ!と目を開かされたり、
そこまで言っちゃいますか!と苦笑いしたり、ともかく、面白い。

雑誌「Can Cam」の「めちゃモテ」戦略についての考察とか、
「夢の少子化対策」とか「キャリア教育論」とか、「与ひょうのロハス」とか、
爆笑しつつも、ふと背筋が寒くなる、という感じ。

最後の「あなたなしでは生きてゆけない」という文章は、
人間にとって、「交換」と「贈与」の重要性について触れている。
この「交換」と「贈与」は、
今ちょうど「終章」を読みつつある、中沢新一先生の
「愛と経済のロゴス(カイエ・ソバージュ3)」のテーマでもあり、
ちょうど響きあうかのようなタイミングの良さで、
一瞬「カイエ・ソバージュ」のまとめを読んでいるかのように錯覚した。

ちょっと面白い体験だった。



ひとりでは生きられないのも芸のうち

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