不登校について

2学期になって、ちらほらと不登校の相談をされるようになりました。
実は1学期から休みがちだったけど、
2学期になったら行けるかと思ってたのに、
ますます行けなくなってきて・・・、という感じが多いです。
同じ学校、別の学校、年齢もいろいろですが、5人ほど。

不登校は、子ども一人ひとりタイプが違います。
原因も、状況も、今後の展開も、
その子の性格や、家族との関係や、先生・友達との相性もあるし、
本当に一人ひとり、事情が違います。

だから、誰かに良かったからと言って、他の子にも良いとは限らない。
「ウチはこうしてうまくいった」からと言って、
「お宅もこうすればうまくいく」とは断言できない。
「こうすれば絶対不登校がなおります」なんて言う人がいたら、それこそ怪しい。
万人に効く絶対の方法なんてないと思うし、
そもそも不登校を「なおす」ものだという認識がズレていると思う。

スクールカウンセラーの先生が、以前
思春期を乗り越えるために大事なのは、自己肯定感、とおっしゃっていました。
「思春期は子どもにとって、親子関係も友達関係も『大荒れ』の時代。 
 何かしら問題は起る。
 自己肯定感がちゃんと育っていれば、
 問題が起っても、大事にならずに乗り越えられる。
 逆に、自己肯定感が乏しければ、
 ささいなことでつまずき、トラブルが大きくなることがある。」
というお話でした。

わたしも、自分の体験からも、「自己肯定感」がキーワードだと思います。
不登校に限らず、今の子育てのポイントは
子どもの自己肯定感をいかに育めるか、だと思うのです。

自己肯定感とは、文字通り「自分はありのままでいい」という感覚です。
この、子どもの自己肯定感について人にお話しする時は、
よく「コップの中の水」に譬えて説明します。

子どもは皆、心の中に自分のコップを持っています。
そのコップに自己肯定感がたっぷり入っている子どもは、
自分に自信があり、自分のための努力ができるし、
失敗してもまた挑戦して、やがて乗り越えることができます。

ところが、このコップに入っている自己肯定感が、
自分を保つのにギリギリしかない子は大変です。
ちょっとした失敗や、友達とのトラブルなどで、
大きく揺さぶられ、傷つき、
時にはそれによって、ますますコップの中身をこぼしてしまいます。

こうして、コップの中身が減って自分を保てなくなると、
子どもはさまざまな「サイン」を出して大人に訴えます。
ある子は、すぐに暴力をふるって暴れるかもしれません。
いじめをしたり、悪質な授業妨害、非行も、「サイン」かもしれません。

そして外に出るのが辛くなって、
学校に行けなくなり、引きこもる子もいるのではないでしょうか。
コップの中身が足りないから「外に出れない」のであれば、
コップの中身を増やしてやれば、「外に出て行ける」のかもしれません。

学校に行かない娘とすごした8年間は、
振り返ってみれば、
我が子のコップに「自己肯定感」がたっぷりなみなみとたまるように、
それだけを考えて、
ひたすら子どもを受け入れ、抱きしめ、肯定し、OKを出し続ける
という修業の日々でした。

もちろん、親も「仏様」ではないので、すぐにうまくできるわけはありません。
何度も失敗し、後悔し、反発され、衝突し、試され、爆発して、
試行錯誤を繰り返しました。
三歩進んで二歩下がるどころか、
ようやく進んだ一歩から五歩も六歩も後退する日もありました。

その上、我が子のコップは穴だらけで、
どれだけ「OK」を注いでも注いでも、
穴から漏れて出て行ってしまう、という時期が数年ありました。
ところが、いつごろからか、いつのまにか、
子どもの水がたまる感じが、確かに感じられるようになりました。
それからは、親が注ぐだけでなく、
子ども自身も自分でエンパワメントしてどんどん成長しました。

長女は結局、義務教育9年間ほとんどずっと「不登校」でした。
一般的なルートからはかなり外れてしまったけれど、
でも、8年間をかけてしっかりと自己肯定感を蓄え、
一人の人間としてしっかり生きる力を育てて、
自分から外へと、歩き出しました。
(定時制高校に入学、毎日通学して、今年3年生になりました)

コップが一杯になったら、本当に、外へ出て行けたのです。
コップにちゃんと中身がたまっていれば、
どの子も皆、自分で立ち上がり歩み出す力を持っていると思います。

親の仕事は、我が子のコップにたっぷりと自己肯定感を注いでやることだ、と
わたしは娘に教えてもらいました。
身体を張って教えてくれた娘に、感謝しています。

で、不登校について相談された時に、わたしがお伝えできるのは、
当時とても助けてもらった本をご紹介することと、
わたしの無様な体験談です。
いつも一番にお薦めするのは、河合隼雄先生のこの本。
我が家のバイブルです。

子どもの宇宙 (岩波新書)/河合 隼雄

¥735
Amazon.co.jp

わたしの体験談については、少しでも参考になればと思い、
以前の「連載」をこれからアップします。

また、不登校関連の記事」のまとめページを作りました。
ご利用ください。
 → http://marinonnette.at.webry.info/201107/article_3.html

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント