龍のいるまわり道

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help リーダーに追加 RSS ある不登校娘のドタキャンの歴史(受験篇)後半

<<   作成日時 : 2007/12/11 10:25   >>

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不登校9年目の長女の受験に関しては三つの問題があった。
    1、本人の学力で合格できるか。
    2、入学後授業についていけるか。
    3,毎日登校できるか。

ちょうどその頃、不登校の親の会の進路学習会のことを知り、
長女を誘ってみたところ、意外にも一緒に行くという返事。
一応真面目に考えているんだな、と嬉しかった。

その時の講師の中に荻窪高校の定時制の先生がいた。
当日長女は話を聞かずにせっせと絵を描いていた。
ところが帰り道
「定時制なら勉強しなくても入れる。
 昼に起きても通える。定時制に行く」と言い出した。
聞いていないように見えてちゃんと聞いていたんだ、と思った。

それから通学可能な範囲の定時制高校を選び、
まず、武蔵境駅徒歩15分の武蔵高校に見学に行った。
懸案の1〜3を質問すると、
1は定時制は例年定員割れするのでおそらく全入。
2は生徒のレベルに合わせてプリントで指導。
3は日数不足で単位が取れなければ留年・退学する生徒もいる、という返事だった。
建て替えて3年という校舎はまるで大学のように立派で明るく、
親は素晴らしいと思ったが、長女は「立派すぎて落ち着かない」という感想。
「貧乏性だねえ」と呆れた。

1月には荻窪駅徒歩5分の荻窪高校を訪ねた。
副校長先生の案内で親子で給食を御馳走になった。
懸案の1〜3を質問すると、1次で受験すれば多分大丈夫。
2次以降は倍率が1倍を越えることもあり、その時は不合格もある。
数学と英語は独自問題だが、それはどこまでわかっているかを見るためのもの。
入学後はわからないところまで戻ってプリントなどで面倒をみる。
出席日数が足りないとどうしようもないが、
来なくなる生徒はだいたい1学期に脱落して、あとは卒業まで通える。
など丁寧に答えてもらえた。

夏から建て替え工事が始まるという校舎は、
廊下がギシギシと鳴るくらい古かったが、
帰り道校門を出たところで「あたし、ここにする」と長女が宣言。
「ボロくて居心地がいい」のだそうだ。
電車で30分の通学が気になったが、荻窪を受験することに決めた。

その年都立の入試は2月23日、高校に8時半集合。
長女は「定時制なのに、なんで試験は全日制と一緒に朝からやるの〜?」と不満そう。
事前に教育委員会のHPで調べたところ、荻窪の定時制の倍率は0.37倍。
受けさえすれば受かるハズだが、
これまで数々のドタキャンを繰り返してきた長女である。
おまけに毎日夜中の2〜3時に寝て、昼前に起きる生活。
「受験当日の朝ちゃんと起きられるか」が一番の山場、という妙な受験となった。

またドタキャンかもと心の半分で覚悟をしつつ、
それでも出願も本人が一人で行ったし、文句を言いながらも
「わかってるよ、起きなかったら春から高校生になれないんだから」
と言うので、大丈夫かもと思った。
(それでもギリギリになって行けない、というのはよくあるパターンだ)

当日は、集合30分前には着くようにという担任の先生の指導を素直に聞いて、
7時すぎに家を出た。
合格発表も一人で見に行きメールで知らせて来た。
親は何も言わなかったが、
その場から九州の祖父母に合格を知らせたらしく、優しい心遣いに感心した。
長女がこの日ちゃんと受験できたのは、
自分の人生を彼女なりに前向きに歩き出した、その第一歩ではないかと思い、
親バカながら成長したものだと感慨深かった。

親としては「めでたしめでたし」という気分だが、
我が家のドタキャン娘はそう平穏に終わらせてくれなかった。
                    (卒業編に続く)

「受験篇」で紹介したのは、
不登校体験者の本音を綴った本です。
『文章のうまさ、明晰さ、面白さにびっくり。
 不登校をしている子どもの気持ちがよくわかります。
 親としては耳の痛いことも』

不登校、選んだわけじゃないんだぜ! (よりみちパン!セ)/貴戸 理恵

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この記事は、2年ほど前に、
「学校を休みがちな子どもたちのこれからを考える親の会」
(略称:ぷらっとの親の会」のお知らせ「ぷらっと通信」に連載した
「ある不登校娘のドタキャンの歴史(受験篇)」の後半です。



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